【基礎】公的介護保険について理解する!

高齢化社会が進むにつれ、介護の必要性が高まってきました。介護や福祉に関する制度は以前からありましたが、現在の介護保険制度は1997年に法律ができたもので、医療や年金に比べると比較的新しい制度になります。ここでは公的介護保険について説明していきます。

介護が必要になるのは何歳?

一般的に何才くらいから介護状態が必要になる人が多いのでしょうか。
こちらのグラフは「年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合」です。

介護や支援が必要な人の割合はどれくらい?|公益財団法人 生命保険文化センターから引用

85才以降では60%もの人が認定を受けています。ただし、こちらは程度の軽い要支援などの方も入りますので、すべての人が介護と聞いてイメージするような寝たきりなどの重いイメージではありません。

介護にかかる期間や費用はどれくらい?

では実際、介護状態になった場合はどれくらいの時間とお金がかかるのでしょうか?

※生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/平成30年度より

介護期間は平均4年7ヶ月

平均で54.5ヶ月、年に直すと4年7ヶ月になります。
ただし、4年以上介護をした割合は4割を超えていますので、長期化する場合も少なくありません。

一時的には69万円、毎月7.8万円

介護にかかる費用は、一時的に必要になった金額は69万円。
こちらは介護状態になったことで住宅にリフォームが必要になった場合や、老人ホームに入るための初期費用などです。

公的介護保険制度

それでは公的介護保険制度の概要を見ていきます。

公的介護保険の加入者は40才以上となっており、介護保険料を支払うのも40才以上になっています。会社員の方であれば、40才になると厚生年金保険料などと同じようにお給料から天引きされるようになります。

介護保険は受給対象になったときに、手当などのお金が貰えるのではなく、「介護サービス」という現物給付を受けられる制度です。

そして、40~64才と65才以上で違いがあります。

第1号被保険者第2号被保険者
年齢65才以上40~64才
受給対象どんな理由で要介護・要支援状態になったとしてもサービスを受けられる末期ガン、関節リウマチなどの16の特定疾病を原因に要介護・要支援状態になった場合に限る
保険料原則、年金から天引き所得によって9段階に分かれる会社員・公務員:お給料から定められた割合で天引き(会社との折半)自営業・フリーランス:市町村が定めた金額を支払い

認定されて初めてサービスが受けられる

介護サービスは市区町村に申請をして「要支援・要介護認定」を受けた人がその要介護度によってサービスを受けることができます。
要介護度は7段階に分けられており、支給限度額も異なります。自己負担は1割(所得の高い人は2〜3割)ですが、この支給限度額を超えてサービスを利用すると全額自己負担になります。

(月額の給付上限)

軽←  →重
要支援1要支援2要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
50,030円104,730円166,920円196,160円269,310円308,060円360,650円

また介護サービスの種類には大きく分けて3つあります。

・居宅サービス:
ヘルパーさんに家に来てもらい介助を行う訪問サービスや、利用者が施設に通う通所サービスなどが挙げられます。

・施設サービス:
特別養護老人ホームや介護老人保険施設などに入所した利用者に対して提供されるサービスです。

・地域密着型サービス:
介護状態になっても利用者が住み慣れた地域で生活が継続できるように地域ぐるみで支援するサービスです。訪問、通所、施設サービスなど内容は多岐にわたります。

まとめ:民間の介護保険も増えてきているけれど、まずは公的介護保険を理解しよう!

最近では需要が高まり民間の介護保険も多く出てきています。企業では介護をする場合に休みを取れる「介護休暇」がある会社などもありますが、まだまだ企業の支援は少ないのが現状です。公的介護保険を理解しつつ、必要に応じて民間の保険を検討しましょう。

(マネーroom編集部)

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